金原ひとみの「蛇にピアス」を読んだ

金がない最近の僕の娯楽のひとつが、本屋で立ち読みをすることで、数時間かけて何冊っていう単位で立ち読みする最低な客（？）になっている。
おかげで腰が痛い。

そんなわけで、芥川賞をとった、金原ひとみの「蛇にピアス」を読んだ。
エログロなものの先になんらかの精神性があるような気分にさせる小説としては、よくある感じのような気もする。
新しいのは、２０の女の子が、芥川賞とるぐらいの完成度で書けたってことだけなんじゃないかと、批判することもできそうな。
しかし、舌にピアスの穴をあけるときの膣に響く痛みとか、相手を蔑むようにしかセックスできない男の冷たい目とか、僕はわりとこんな小説が大好きで、ありふれていると糾弾するよりはむしろ、世の中に必要な一ジャンルとして考えたいほうだ。
作家としての出発点にいる人に与えられる芥川賞。
選考委員の村上龍や山田詠美なんか超えていってほしいところだ。